比企郡小川町に位置する現場に到着する頃には、すっかり周囲は暗くなっていました
この日は、午前中の修理の依頼はなかったため、溜まりにたまった事務仕事を片付けていました。午後からは川越市のマンションにお住まいの方から依頼を受けて、水道設備の交換をしたところ想像以上の苦戦を強いられ、だいぶ予定が狂った状態に。交換業務が終わると、私は急いで車に乗り込み、次の現場にむかったのです。このようなことは、良くあることですが本当にいつも焦ってしまいます。走り慣れている国道254号線をできる限りの速さで、安全運転に留意しながら走行しました。順調に行けば、途中で「うなぎ屋」に寄るつもりでしたが、それは今度の楽しみにすることにしました。
次に向かったお客様のご依頼は、トイレの水漏れを何とかして欲しいというものです。実はこのお客様は過去に悪質な水道業者の被害に遭われたらしく、とても慎重に色々と質問を受けています。「どのくらい費用がかかりますか」と繰り返し聞かれたので、詳細は状況を確認してみないとわからないのが現実ですが、「パッキン交換などの簡単な修理内容なら概ね1万円前後で済みます」というふうにできるだけ、具体的に答えることで安心させました。
そうこうしている間にお客様宅に到着。築30年ほどは経過しているとおぼしきアパートであり、間取りからしても独り暮らしということがわかりました。お客様は、私に修理を依頼する前に、自ら直そうとしていた様子がわかります。近くにモンキーレンチやホームセンターなどで入手できるパッキンなどが置いてあります。お客様が興味津々で私の作業を覗き込んでいるため、「こういう場合はでかい工具を使うより薄型のモーターレンチの方が重宝しますよ」と教えてあげました。作業自体は単純であり、請求した費用は税込で9000円ほどです。お客様は予想されていた金額より安かったみたいで満面の笑みを浮かべていました。
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