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もしあなたがお風呂に入ろうとしたときに、蛇口から水漏れしていたらどのように対応しますか?
自分で原因をつきとめて自分で直してしまう人もいらっしゃると思います。水漏れを見つけたら、とりあえずすぐに水道業者や、その建物を管理する不動産業者に連絡して修理を頼むという人もおられるかもしれません。
その対応の方法は人それぞれです。しかし、もっとも賢い方法は、「自分で直せる水漏れなのかどうか」を見極める目を持つことではないでしょうか。そのしっかりとした目さえあれば、「パッキンの交換くらいであれば自分で行う」「本体まるごとの交換になるので業者さんを呼ぶ」などといった正しい対応ができるようになります。
今回の記事では、自分で直せる範囲の水漏れなのかどうかの見極め方と、その修理方法を説明していきます。
お風呂の水道は、実はさまざまな種類があります。よく見かけるのは、左右に温度調整のハンドルがついた銀色のものではないでしょうか。この他にも、少々築年数の経過した住宅になると、お湯と水が個別のハンドルタイプものがあります。その他にもいくつかの種類の蛇口があります。
こんなにも多くの種類があると、修理方法も異なるので、専門家でなければ修理ができないのではないかと考えてしまうことがあるようです。こうった専門技術が必要な修理は、はじめから「自分に修理なんて無理だ」と考えてしまう人も大勢いると思われます。ですが水漏れの修理に対してほとんどのケースで自ら修理を行なう事が可能です。特に現在はこのような修理方法を解説したWEBページや、動画などがインターネット上に掲載されているので、それらを見れば、症状によっては極めてカンタンに修理おこなう事ができます。 その際にまず確かめておきたいのが、水栓の種類です。ホームセンターなどに行って水道関係の部品の種類を見ると、その数があまりにも膨大で驚くかもしれませんが、大丈夫です。
水栓の種類とメーカーが判明していればその中でどの部品を使用すればいいのかは簡単に分かります。ということでマイホームのお風呂の蛇口で水漏れの症状が出ている場合に下記のなかでいずれの種類に属するのかを想定してみてください。
お風呂の水栓には、サーモスタット混合水栓、ツーハンドル混合水栓、シングルレバー混合水栓、単水栓という4つのタイプがあるということをお伝えしましたが、その給水管がどこから出ているのかによって、設置される場所が変わります。設置される場所によって、同じタイプの水栓でも部品の形状や、修理の方法が変わる可能性があります。
設置場所は、壁と台の2種類があり、それぞれに特徴があります。
水栓蛇口自体には4つの種類があり、水栓の置かれている場所にも2つの種類があるということをお伝えしました。
そしてさらに、接続される給水管の本数によっても2つの種類に分かれます。水道には、接続されている給水管の数が1本の種類と2本の種類に成ります。
1本の種類を「ワンホールタイプ」、2本の種類を「ツーホールタイプ」といいます。ツーホールタイプは、壁付きタイプの水栓と台付きタイプの水栓の両方に見られるタイプです。お湯の給水管と水の給水管がそれぞれ独立しており、水栓と壁(または台)は2本の管でつながっています。
水栓の内側で水とお湯を混ぜ合わせ、吐水するという仕組みになります。
ワンホールタイプは、台付きのタイプに多く見られるタイプで、台の中や床下、壁の中で水とお湯の給水管を1本に組み合わせています。そのため、台(または壁)は1本の管でつながっています。このように、水栓には4つの種類、設置場所には2つの種類、給水管の数もタイプあります。
ご自宅のお風呂の水漏れを修理する際には、水道がどのタイプのものに当てはまるのかをまず確認しましょう。
お風呂で使用される水栓の種類は、上記で紹介させていただいた4種類がほとんどです。
たとえば、ホテルなどで、特殊な形をした水栓を見かけることがありますが、それはかなり特殊なケースです。
一般家庭のお風呂で考えれば、そのような特殊な水栓はまずないでしょう。そのため、水漏れの原因については、この4種類の水栓に絞ってお話します。ただし、水栓が4種類あるといっても、そこまで中身が大きく変わるわけではありません。
簡単に言えば給水管から流れてくるお湯と水を内部で混ぜて1つの蛇口から出すという水の動きを、それぞれの形式で再現すれば良いのです。水漏れが起こる原因は、大きく分ければ4種類です。
【写真枠:水漏れしているシングルレバー混合水栓の写真】
シングルレバー混合水栓からの水漏れで多いのは、蛇口からの水が止まらなくなるというものです。
レバーをしっかりと下げて(上げて)も、水が完全には止まらないのです。
この水漏れ症状の原因はバルブカートリッジの故障です。
バルブカートリッジを交換することで、水漏れは解消されるはずです。
メーカーや型番によって規格が違うので、事前にしっかり確認する必要があります。
水栓の外側に型番が書いてある場合、その型番をインターネットで調べれば、その水栓に合致するバルブカートリッジの型番が分かるはずです。
また、パーツとパーツの連結部分から水漏れがある場合には、その部分のパッキンが劣化している可能性が高いです。
その場合はパッキンを交換しましょう。同時に、スパウト(蛇口から本体に連結しているパーツ)に劣化がある場合もあります。この場合は、スパウト本体を交換する必要があります。
それぞれの具体的な方法は後半で解説させていただきます。
ツーハンドル混合水栓からの水漏れは、ほとんどの場合はパッキンの劣化が原因です。
水漏れが起こっている部分のパッキンを外し、直接ホームセンターなどに持参すれば比較的安価に材料をそろえることができます。
スパウトの付け根や、ハンドル内部のケレップ(コマ)に付いているパッキンが劣化していることが多いです。
その他、そこまで多くはありませんが、スパウト本体の劣化という原因もあります。
スパウトが過度の使用や経年劣化などによって磨耗すると、小さな穴が開いてそこから水が漏れることがあります。
お風呂のスパウトは、洗い場でも浴槽でも使えるように長めに作られていることが多いので、金属疲労が起こりやすい形状なのです。
外したパーツをホームセンターに持ち込んで同じものを購入する場合は、ノズルの長さや向きに注意をしましょう。ツーハンドル混合水栓の解体方法は後半で解説させていただきます。
サーモスタット混合水栓は、水を流している時に水漏れが起こるのか、水を止めている時に水漏れが起こるのかによって、その原因は異なります。
水を流している時に水漏れが起こるのであれば、パッキンの不良の可能性が高いです。
どの連結部から水が漏れているのかをよく見て、その部分のパッキンを交換してみてください。
水栓を解体して、水漏れが起きている箇所のパッキンを外してホームセンターに持参すれば、同じものを購入できるはずですサーモスタットカートリッジの故障が原因の場合もあります。
この場合は、カートリッジ内部を修理することは素人には難しいので、カートリッジ自体を交換するのが最も早いでしょう。
できれば、サーモスタット混合水栓の設置された家に10年以上住んでいる方は、故障を見越して替えのカートリッジをあらかじめ購入しておくとよいでしょう。いざというときに慌てなくてよいはずです。 サーモスタット混合水栓の解体方法は後半で解説させていただきます。
水栓ごとに分解の方法は異なります。しかし、どの水栓でもそこまで特殊な工具を必要とすることなく、簡単に分解することができます。
分解する方法さえ分かれば、パッキンの交換やカートリッジの交換、パーツの交換は簡単に行うことができます。
ここでは、水栓ごとのパーツの分解の方法をお伝えしていきます。その前に、1点注意が必要です。
ツーハンドル混合水栓の場合、どの場所から水漏れをしているのかによって、解体する場所が変わります。
ハンドル周辺より水漏れが起きている場合や、蛇口より水がポタポタと漏れて要る様な場合は、ハンドルを解体します。
スパウト(蛇口がセットされているパイプ)より水が漏れている時は、スパウトを解体します。
クランクナット(壁と水栓の接続部分)から水が漏れている場合は、クランクナットを解体します。 さっそく、個々のモデルに関して案内して行きます。
ハンドルの内部には、様々な部品が納まっています。
ハンドルを止めるためのビスや、カバーナット、パッキン、スピンドル、ケレップなどがあります。
水漏れが起きている場合、内部のパッキンを交換する必要があります。
ハンドルを閉めても、蛇口から水が漏れるという場合は、「ケレップ」と呼ばれるコマのような形をしたパーツについているゴムパッキンが劣化している可能性が高いです。
ハンドル下のナット部分で水が漏れ出るという場合は、「蛇口のハンドル内のパッキン」というパッキンを交換する必要があります。
いずれにしても、一度ハンドルを解体してからもう一度組み立て直さなければいけません。
まずは、ハンドルの上部にある「ポイント」と呼ばれるカバーを外します。
ポイントを外すと、中にビスがあるので、プラスドライバーを使ってそのビスを外します。
するとハンドルが取り外せるはずです。その後、スライドレンチなどを使ってカバーナットを取ります。
解体自体はこれで完了です。
パッキンを交換した後は、それぞれの部品を同じ向き、同じ順番で取り付け直さなければならないので、解体するときには外した順番や向きをしっかりと記憶しておいた方が良いでしょう。
自信がない方は、スマートフォンなどで解体する様子を撮影しておき、万が一わからなくなった時に確認できるようにしておくと間違いがないです。
スパウトの根元から水が漏れている場合は、その部分のパッキンを交換する必要があります。
まずは、水漏れが起きているスパウトの根本にあるパイプナットを、スライドレンチを使用して取り外します。
解体の手順としては基本的にこれだけです。
パイプナットが緩められれば、パイプが取り外せますので、本体とスパウトの間に付いているパッキンを新しいものに取り替え、その後、逆の手順でタイプナット取り付けなおしてください。
壁と水栓をつなぐ管を「クランクナット」と呼びます。
このクランクナットから水が漏れている場合は、本体をクランクナットから外し、その結合部にあるパッキンを交換しなければなりません。
外すためには、ツーホール式の場合、お湯側のクランクと、水側のクランクの両方を壁から離さなければ、パッキンが交換できないため、片側だけ水漏れをしていたとしても、両側のクランクを外す必要があります。
それぞれのクランクナットの取り付け部分にあるパイプナットを外せば、水栓自体を取り外すのは簡単です。
その間に挟まっているパッキンを、新しいものに交換しましょう。
サーモスタット混合水栓が水漏れをしている場合、内部のサーモスタットカートリッジを交換するか、あるいは、パッキンを交換する必要があります。
パッキンを交換する場合は、水漏れをしている部分のパイプナットを緩めて取り外し、間に挟まっているパッキンを交換すればOK です。
サーモスタットカートリッジを交換する場合は、少々手順が面倒になります。具体的な方法は下記の通りです。
シャワーからの水漏れが発生している際の対処法を解説します。 必要な道具
どの対処法でも、開始する前に、あらかじめ止水栓を閉めておきましょう。 止水栓を閉め忘れると、作業中に水が溢れてしまいます。 水が飛び散って大変な状況になるため、清掃の手間もかかります。 忘れずに止水栓を閉めてから作業を始めてください。 また、水漏れの箇所を正確に見極めて、対処する箇所を判断する必要があります。 水を出した際に、どこから水が漏れているのかはあらかじめチェックしておきましょう。
シャワーホースの接続部での水漏れの対処法を解説します。 手順は3つです。 シャワーホースの接続部での水漏れの対処法
シャワーホースの接続部の水漏れは、パッキンの劣化が原因である可能性が高いため、劣化したパッキンを交換すれば改善できます。 接続部のパッキンにはさまざまなサイズがあるため、取り替える際はサイズの間違いに注意しましょう。 最後に止水栓を開放し、水漏れが発生していないかを確認します。 水を流しても、水漏れがなければ問題なく対処できています。 それでも、水漏れが直らないケースは、専門の業者に相談してください。
シャワーホースからの水漏れの対処法を解説します。 手順は以下の4つです。 シャワーホースからの水漏れの対処法
シャワーホースからの水漏れでは、シャワーホース自体に問題がある可能性が高いため、シャワーホースをまるごと交換する必要があります。 シャワーホースも5年ほどで経年劣化するため、定期的な交換をしていきましょう。 ただ、シャワーホースであればどれでもよいというわけではありません。 現在、使用しているメーカーを確認し、同様のメーカーを選択するか、または同様の規格のシャワーホースを選びましょう。 適当に購入したシャワーホースが取り付けられなかったといった失敗につながらないように注意してください。 新しいシャワーホースの取り付けが完了したら、止水栓を開けて水を流し、水漏れがないかを確認しましょう。 新品に交換したにもかかわらず、水漏れが直らないケースは、専門の業者に相談してください。
シャワーヘッドからの水漏れの対処法を解説します。 手順はこちらです。 シャワーヘッドからの水漏れの対処法
上記の対応をしても直らないケースは、シャワーヘッド自体をまるごと交換する必要があります。 シャワーヘッド自体を交換する方法
シャワーヘッドのところで水漏れが発生しているケースでは、接続部のパッキンの劣化、もしくはシャワーヘッドの劣化などの原因が考えられます。 一つ一つ対処を行い、水漏れの解消を目指していきましょう。 最後は必ず止水栓を開放したうえで、水を流し、水漏れのチェックをしてください。 新しいパッキン、シャワーヘッドに交換したにもかかわらず、水漏れが発生してしまうケースは、専門の業者に一度相談する必要があります。
このように、お風呂の水漏れは、簡単なものであれば、部品を購入し、自分の力で直すことは可能です。
水栓にいくつかの種類があるとはいえ、水漏れの原因は基本的にパッキンの劣化かバルブの故障なので、水栓を解体し、元に戻すことさえできれば、なんとかなります。
しかし、そのためには、モンキーレンチや、精密ドライバーといった少し特殊な工具も必要になります。
家の中にそのような工具がない場合や、工具を使用することが苦手な女性の方などは、どうしようか考え悩むくらいであれば、最初から水道業者さんを呼んでしまったほうが早いかもしれません。
お金はかかりますが、最も確実に修理することができます。