- 投稿日: 2025/12/22
- 更新日: 2025/12/22
洗濯機の排水があふれる!原因と自分で直す対処法、業者依頼の判断基準
「洗濯機を回していたら、いつの間にか床が水浸しになっていた」
「脱水のたびに排水口から水が逆流してきて、ヒヤヒヤする」
「エラーが表示されて洗濯機が止まってしまった」
突然の水トラブルは、家財への被害や集合住宅での階下漏水など、大きな不安に直結します。しかし、慌てないでください。排水があふれる原因の多くは、実はご自身で解消できる「つまり」や「設置不良」です。
この記事では、水回りのトラブル対応の経験に基づき、洗濯機の排水があふれる原因の特定から、今すぐできる応急処置、メーカー別のエラー対応、さらには賃貸での費用負担トラブルまで、必要な情報をすべて網羅して解説します。
どこまでなら自分で直せるのか、どこからがプロに任すべきかの明確な基準を持ち帰ってください。
洗濯機の排水があふれる主な原因とは?(結論)
目次
洗濯機の排水があふれる現象は、主に「排水経路のどこかが詰まり、水の逃げ場がなくなっていること」が原因で発生します。正常ならスムーズに流れるはずの脱水時の大量の水が、汚れや設置不良によって堰き止められ、逆流(オーバーフロー)してしまうのです。
【要チェック】あふれる場所でわかる原因の切り分け
- 排水口付近からあふれる:排水トラップ、または床下の排水管奥での詰まり。
- 洗濯パン(防水パン)に溜まる:排水ホースの内部詰まり、またはホースの勾配不良(逆勾配)。
- 洗濯機本体の下から漏れる:ホースの接続不良、ホースの破損(亀裂)、または本体内部の故障。
なぜ排水があふれるのか?3つの詳細な原因
より深く原因を理解することで、適切な対処法が見えてきます。主な原因は以下の3点に集約されます。
1. 排水トラップ・排水管への「ヘドロ汚れ」蓄積
最も多い原因です。排水口には、下水の臭いや害虫の侵入を防ぐ「排水トラップ」という部品があります。ここは構造上、水が溜まるようになっているため、衣類から出た「糸くず」「髪の毛」「洗剤の溶け残り」「皮脂汚れ」が絡まり合い、巨大なヘドロの塊となりやすい場所です。
ここを数ヶ月〜数年掃除していない場合、ヘドロが血管の血栓のように水の通り道を塞ぎ、一気に排水される脱水時の水圧に耐え切れずあふれ出します。
2. 排水ホースの設置不良・劣化
「掃除はしているのにあふれる」という場合、ホースの設置状況に問題があることが多いです。
- ホースが長すぎてとぐろを巻いている:水流が弱まり、カーブ部分にゴミが沈殿します。
- 家具や洗濯機で踏んでいる(潰れている):物理的に水路が狭まり、水が流れなくなります。
- 勾配が取れていない(逆勾配):排水口に向かって下り坂になっていないと、水が逆流します。
- 内部の汚れ:蛇腹状のホース内部の溝にヘドロが蓄積しているケースです。
3. 外部要因(凍結や建物の問題)
寒冷地や冬場(氷点下)の場合、排水ホース内に残った水が凍結し、「氷の栓」となって排水をブロックする可能性があります。また、稀なケースですが、マンションなどの集合住宅では共有の排水管(縦管)が詰まっており、他の部屋の排水が逆流してくることもあります。
【メーカー別】排水トラブルに関連するエラーコード一覧
洗濯機が停止し、パネルにエラーが表示されている場合は、以下のコードを確認してください。これらはすべて「排水できない(排水不良)」を示しています。
| メーカー | 主な排水エラーコード | 意味・確認事項 |
|---|---|---|
| Panasonic (パナソニック) | U11 | 排水できない状態。排水ホースや排水口の詰まりを確認してください。 |
| HITACHI (日立) | C02 | 排水されません。糸くずフィルターの詰まりや排水ホースの折れを確認してください。 |
| TOSHIBA (東芝) | C1 / E1 | 排水時間が長すぎています。排水口やホースの掃除が必要です。 |
| SHARP (シャープ) | E03 | 脱水運転中に排水できません。本体の排水弁やホースを確認してください。 |
※機種によって異なる場合があります。詳細は取扱説明書をご確認ください。
【実践】あふれを解消するステップバイステップ対処法
ここからは具体的な対処法を難易度別に解説します。作業を始める前に、二次被害を防ぐため必ず以下の準備を行ってください。
⚠️ 作業前の必須準備
- 蛇口(水栓)を閉める:これ以上の給水を防ぎます。
- 電源プラグを抜く:漏電や感電事故を防ぎます。
- バケツと雑巾を用意する:あふれた水を拭き取る準備をします。
Level 1:排水トラップの分解洗浄(誰でも可能)
まずは基本中の基本、最も詰まりやすい「排水トラップ」を掃除します。特別な道具は不要です。
- 排水口が見える状態にします(洗濯機を移動させるか、かさ上げ台を使用)。
- 排水口のフタ(目皿)を外します。
- 中の筒状のパーツ(トラップ)を左に回してロックを外し、取り出します。
- 取り外したパーツについたドロドロのヌメリやゴミを、お風呂場などで使い古した歯ブラシを使って洗い流します。
- 排水管の入り口に見えるゴミも手で取り除きます。
- パーツを元通りに戻し(ロックを忘れずに)、コップ一杯の水を流してスムーズに流れるか確認します。
Level 2:パイプクリーナーやラバーカップの使用(道具が必要)
トラップを掃除しても流れが悪い場合、床下の排水管の奥に詰まりがある可能性があります。
液体パイプクリーナーを使う場合:
髪の毛やヘドロを溶かす成分(水酸化ナトリウム・次亜塩素酸塩)を含む強力なクリーナーを使用します。排水口に規定量を注ぎ、15〜30分放置してから大量の水で流します。
※ポイント:粘度の高いジェルタイプが汚れに密着しやすくおすすめです。
ラバーカップ(スッポン)を使う場合:
トイレ用とは別に、衛生面を考慮して新しいものを用意しましょう。
1. 排水口にカップを隙間なく密着させます。
2. ゆっくり押し込み、「勢いよく引く」動作を繰り返します。
3. 押す時ではなく「引く時」の吸引力で詰まりを崩すのがコツです。
Level 3:プロへの依頼判断基準(これ以上は危険)
上記のLevel 1、Level 2を試しても改善しない場合、または以下の状況に当てはまる場合は、無理をせず専門業者に依頼してください。無理な作業は状況を悪化させます。
| 判断基準 | 理由 |
|---|---|
| 洗濯機が重くて動かせない | 無理に動かすと、床の傷や洗濯機の故障、腰を痛める原因になります。特にかさ上げ台がない場合は排水口に手が届きません。 |
| ドラム式洗濯機を使用中 | 本体重量が80kg近くあり、構造も複雑です。素人の移動・分解は高リスクであり、戻せなくなる可能性があります。 |
| 固形物を流してしまった | ヘアピン、小銭、おもちゃなどが詰まっている場合、薬剤や圧力では解決できません。物理的な除去作業が必要です。 |
| 高圧洗浄が必要なレベル | 長年の汚れが硬化して配管を塞いでいる場合、業務用の高圧洗浄機(トーラー等)でないと貫通しません。 |
賃貸・マンションで水漏れした時の対応と費用負担
集合住宅にお住まいの場合、排水のあふれは「自分の家だけの問題」では済みません。
1. 階下漏水のリスクと初動
床にあふれた水が防水パンの許容量を超えると、床下に浸透し、階下の部屋の天井や壁を濡らす「階下漏水」に発展します。もし大量にあふれさせてしまった場合は、すぐに管理会社へ連絡し、階下への被害がないか確認してください。隠して後で発覚すると、トラブルが大きくなります。
2. 修理費用は誰が払う?(大家さん vs 入居者)
詰まりの原因によって負担者が異なります。
- 入居者負担になるケース:日頃の掃除不足による詰まり、誤って異物を流した、ホースを潰していた等の「過失」がある場合。
- 大家さん(管理会社)負担になるケース:建物全体の排水管(共有部)の詰まり、最初から設備に不備があった場合、経年劣化による破損など。
3. 保険の確認
万が一、階下に損害を与えてしまった場合、入居時に加入した火災保険の「個人賠償責任保険」が適用されるケースが多いです。契約内容を確認し、保険会社に連絡しましょう。
今日からできる!排水あふれの予防策
一度直しても、生活習慣が変わらなければまた詰まります。以下の3つを習慣にしましょう。
- 糸くずフィルターを毎回掃除する:
ここが満杯だと、ゴミがフィルターをすり抜けて排水口へ流れていきます。「洗濯=フィルター掃除」をセットで習慣化してください。 - 月1回のパイプクリーナー:
完全に詰まる前に、定期的に汚れを溶かして流す習慣をつけましょう。あふれてから業者を呼ぶ(数万円)より、数百円のクリーナーの方が圧倒的に安上がりです。 - お風呂の残り湯使用時は「洗い」のみに:
残り湯には皮脂や垢が多く含まれています。使用する場合は「洗い」のみにし、「すすぎ」は綺麗な水道水を使うことで、排水管への汚れ付着を軽減できます。
よくある質問(FAQ)
- Q. 重曹とお酢で詰まりは直せますか?
- A. 発泡作用で軽度の汚れを浮かすことはできますが、完全な詰まり(固着したヘドロ)を解消する力は弱いです。あくまで「予防・消臭」として使い、詰まってしまった場合は専用のパイプクリーナーの使用をおすすめします。
- Q. 針金ハンガーを伸ばして掃除してもいいですか?
- A. おすすめしません。蛇腹状の排水ホースを突き破ってしまい、新たな水漏れの原因になるリスクが高いです。また、排水管の奥で針金が抜けなくなるトラブルも多発しています。
- Q. 業者に依頼した場合の相場は?
- A. 軽度の詰まり除去(ローポンプ等)で8,000円〜15,000円、洗濯機の移動や高圧洗浄が必要な場合は20,000円〜30,000円程度が目安です。必ず事前に見積もりを取りましょう。
まとめ:早めの対処で水漏れ事故を防ぎましょう
洗濯機の排水があふれるトラブルは、そのほとんどが日々の汚れの蓄積による「詰まり」です。
- まずは蛇口を閉めて落ち着く。
- エラーコードを確認し、排水トラップを掃除する。
- それでもダメならパイプクリーナーを試す。
- 自力解決が難しい場合やドラム式の場合は、無理せずプロに頼む。
この手順を踏めば、状況を悪化させずに解決できるはずです。何より大切なのは「無理をして階下漏水などの大きな事故を起こさないこと」です。自分で対処できないと感じたら、迷わず専門家の力を借りてください。安全で快適な洗濯環境を取り戻しましょう。










