- 投稿日: 2025/11/26
- 更新日: 2025/11/26
バリウムが流れない時の緊急対処法!トイレの詰まりを解消する手順と注意点
健康診断でバリウム検査を受けた後、トイレで「バリウムが流れない」というトラブルに直面し、焦ってしまうことは決して珍しくありません。白い塊が便器の底に残ってしまったり、水が流れにくくなったりすると、「このまま詰まってしまうのではないか」と不安になることでしょう。
しかし、慌てて何度も水を流すのは逆効果になる場合があります。バリウムは特殊な性質を持っていますが、適切な手順を踏めば自分で解決できることがほとんどです。
この記事では、トイレにバリウムが残ってしまった際の安全な対処法と、やってはいけないNG行動、そして業者に依頼すべきタイミングについて解説します。まずは落ち着いて、一つずつ確認していきましょう。
なぜバリウムはトイレに残りやすいのか?
目次
通常の排泄物とは異なり、バリウムには「重い」「固まりやすい」という2つの大きな特徴があります。
検査で鮮明な画像を撮るために使用されるバリウムは、比重が水よりもかなり重く作られています。そのため、水流の勢いだけでは押し流せず、便器の底(トラップ部分)に沈殿してしまいがちです。また、時間が経つにつれてセメントのように硬化する性質があるため、一度便器や配管に張り付くと、通常の洗浄水量では剥がれ落ちないことがあります。
「流れない」という現象は、バリウムの性質上、誰にでも起こりうることです。決して設備の不具合や使い方が悪かったわけではありませんので、ご安心ください。
【重要】バリウムが流れない時に絶対やってはいけないこと
対処法を試す前に、状況を悪化させないための重要な注意点があります。焦って以下の行動をとると、水漏れや便器の破損につながる恐れがあります。
1. レバーで連続して水を流し続ける
バリウムが流れないからといって、連続で水を流すのは非常に危険です。奥で詰まっている状態で水を足すと、便器内の水位が上昇し、汚水が床に溢れ出す原因になります。水位が通常より高い場合は、一旦水が引くのを待つ必要があります。
2. 熱湯をかける
「お湯なら溶けるはず」と考え、沸騰したお湯(熱湯)を便器に流すのは避けてください。トイレの便器は陶器製であり、急激な温度変化に弱いため、熱湯をかけるとひび割れてしまうリスクがあります。便器が割れると交換が必要になり、高額な修理費用が発生してしまいます。
バリウムを流すための3つの実践的対処法
それでは、具体的な解決方法を段階的にご紹介します。まずは手軽な方法から試し、状況が変わらない場合に次のステップへ進むことをお勧めします。
対処法1:ぬるま湯で溶かして流す
最も安全で効果的なのが「ぬるま湯」を使う方法です。バリウムは温めることで柔らかくなりやすいため、詰まりの原因となっている塊を崩しやすくします。
- 40℃〜50℃程度のぬるま湯を用意します(バケツ1杯分程度)。
- 便器の水位が高い場合は、灯油ポンプや空のペットボトルなどを使って、通常の水位まで水を汲み出します。
- 高い位置から少しずつ、滝のようにぬるま湯を注ぎ入れます(水流の勢いを利用するため)。
- そのまま30分〜1時間程度放置します。
- 時間が経ったら、レバーの「大」ではなく「小」またはバケツの水で少しずつ流れるか確認します。
ポイント
お湯と一緒に、食器用洗剤(中性洗剤)を100ccほど混ぜると、滑りがよくなり排出されやすくなる効果が期待できます。
対処法2:割り箸で物理的に崩す
ぬるま湯だけでは流れない場合、バリウムが大きな塊になっている可能性があります。目に見える範囲に白い塊がある場合は、物理的に崩して細かくすることで流れやすくします。
- ゴム手袋を着用し、汚れても良い服装に着替えます。
- 割り箸や不要になったトングなどを使用し、便器の奥にある白い塊を突いて砕きます。
- 可能であれば、大きな塊は拾い上げてゴミ袋に捨てます(無理に流そうとしないのが確実です)。
- ある程度細かくなったら、再度ぬるま湯を流して様子を見ます。
※便器の表面はコーティングされているため、硬い金属製の棒などで強くこすると傷がつく恐れがあります。木製の割り箸などが適しています。
対処法3:ラバーカップ(スッポン)を使用する
塊が奥に入り込んで見えない、あるいは水が少しずつしか引かない場合は、配管の途中で詰まっている可能性があります。この場合はラバーカップ(スッポン)が有効です。
- 便器内の水位を調整します(カップが水に浸る程度まで水を減らすか足します)。
- 排水口にラバーカップを密着させます。
- ゆっくりと押し込み、勢いよく「引く」動作を繰り返します。
- 「ゴポゴポ」という音がして水が流れ始めたら、バケツの水で流れるか確認します。
注意点
強く押し込みすぎると、逆に詰まりを奥へ押し込んでしまうことがあります。「引く」時の吸引力で詰まりを動かすイメージで行ってください。また、作業中は汚水が飛び散る可能性があるため、床に新聞紙やビニールシートを敷いて養生することをお勧めします。
無理は禁物!業者に依頼すべき判断基準
上記のDIY対処法を試しても改善しない場合、無理に作業を続けると状況が悪化する恐れがあります。以下のようなケースでは、専門の水道修理業者への依頼を検討すべきです。
- 半日以上経っても状況が変わらない場合
時間が経過するほどバリウムは硬化し、除去が難しくなります。 - 水が全く引かず、溢れそうな場合
完全な閉塞が起きている可能性が高く、専門的な機材(高圧洗浄機やトーラーなど)が必要です。 - もともとトイレの流れが悪かった場合
バリウムだけでなく、尿石や配管の汚れなどが複合的に詰まりを引き起こしている可能性があります。 - 自分で作業することに不安がある場合
無理をして便器を破損させたり、汚水まみれになったりするリスクを避けるため、プロに任せるのが最も安心で確実な選択です。
プロに依頼する際は、「バリウム検査後の詰まりであること」を事前に伝えると、業者が適切な機材を準備できるためスムーズです。
次回から困らないための予防策
バリウム検査は定期的に受けるものです。次回の検査後に同じトラブルに見舞われないよう、以下の予防策を心掛けておくと安心です。
こまめに水を流す
検査直後の排便時は、一回で全て流そうとせず、数回に分けて流すのが効果的です。また、排便がない時でも、帰宅後すぐに一度トイレの水を流しておくと、配管内の水流が確保されやすくなります。
トイレットペーパーと一緒に流さない
バリウムと大量のトイレットペーパーを同時に流すと、詰まりのリスクが格段に上がります。可能であれば、バリウム便が出ている間は、ウォシュレットを活用するなどしてトイレットペーパーの使用量を減らすか、ペーパーだけ分けて流す(小洗浄などで)工夫が有効です。
水分を多めに摂る
検査後、医師からも指示がある通り、水分を普段より多めに摂取してください。体内でバリウムが固まるのを防ぐだけでなく、排便を促し、柔らかい状態で排出することにつながります。
まとめ:バリウム詰まりは焦らず対処を
バリウムが流れないトラブルは、誰にでも起こりうるものです。目の前の状況に驚いてしまうかもしれませんが、まずは落ち着いて以下のポイントを思い出してください。
- 連続排水・熱湯の使用はNG
- 40〜50℃のぬるま湯でふやかして流す
- 割り箸などで物理的に崩す
- 改善しない場合は早めに専門業者へ相談する
適切な対処を行えば、多くの場合は解決できます。しかし、ご自身での対処が難しいと感じた場合や、水漏れのリスクがある場合は、無理をせずプロの力を借りることも賢明な判断です。
水回りのトラブルは、早めの対処が安心への近道です。この記事が、少しでも皆様の不安解消のお役に立てれば幸いです。










