- 投稿日: 2025/11/26
- 更新日: 2025/11/26
漏水調査を戸建てで行う手順|自分でできる確認箇所と業者費用の目安
「先月に比べて、急に水道料金が跳ね上がった」 「どこからか水が流れるような音が聞こえる気がする」
戸建てにお住まいで、このような症状でお困りではありませんか?毎日使う水回りだからこそ、見えない場所でのトラブルは大きな不安につながります。
漏水(水漏れ)は放置すると、水道代の負担が増えるだけでなく、建物の土台や柱を傷め、資産価値を下げてしまう恐れもあります。しかし、焦る必要はありません。まずは落ち着いて現状を確認することで、適切な対処が可能になります。
この記事では、戸建て住宅における自分でできる漏水調査の方法から、プロに依頼した際の費用相場、さらには火災保険の適用可能性まで、解決に必要な情報を段階的に解説します。
まずはここを確認!自分でできる漏水の簡易調査法
目次
業者に連絡をする前に、まずはご自身で「本当に漏水しているのか」を確認することが大切です。特別な道具を使わなくても、水道メーターを見るだけで簡単に判別できます。
1. 水道メーターの「パイロット」をチェック
戸建て住宅の場合、敷地内の駐車場や玄関付近の地面に「量水器(水道メーター)」のボックスがあります。以下の手順で確認を行ってください。
- 家中の蛇口をすべて閉める(トイレ、キッチン、お風呂、洗濯機、外の散水栓など)。
- 水道メーターの蓋を開け、メーター盤面を見る。
- 盤面にあるキラキラした銀色の部品(パイロット)を確認する。
家中の水を使っていないのに、この「パイロット」がクルクルと回っている場合、敷地内のどこかで水が漏れている(漏水している)可能性が極めて高いと言えます。
2. トイレ・キッチンの目視確認
パイロットが回っていた場合、次は「どこで漏れているか」を探します。生活スペース内で気づきやすい場所から確認していきます。
| 場所 | チェックポイント |
|---|---|
| トイレ | 便器内の水面がわずかに揺れていないか タンクの中から「チョロチョロ」と音がしないか |
| キッチン・洗面所 | シンク下の収納を開け、配管周辺が濡れていないか 床材にシミや変色がないか |
| お風呂 | 蛇口やシャワーヘッドからポタポタ落ちていないか 給湯器周りが濡れていないか |
3. 屋外・地中のチェック
室内で異常が見つからない場合、屋外の地中埋設管や外壁の配管で漏水している可能性があります。
- 晴れているのに、地面が常に湿っている場所がある。
- 配管が通っている付近のコンクリートが濡れて変色している。
- 基礎の通気口付近が湿っている。
これらに該当する場合、壁の中や地中など、目に見えない場所でのトラブルが疑われます。この段階になるとDIYでの特定や修理は難しいため、専門業者による詳細な調査が必要です。
プロによる戸建ての漏水調査とは?方法と流れ
ご自身で原因箇所が特定できない場合、漏水調査の専門業者に依頼することになります。「どのような調査をするのか分からない」という不安を解消するため、一般的なプロの調査方法をご紹介します。
音聴調査(おんちょうちょうさ)
最も基本的かつ一般的な調査方法です。「音聴棒」という長い金属の棒を水道メーターや蛇口、配管に当て、水が漏れる微細な振動音を聞き分けます。熟練のスタッフであれば、この方法で大まかな漏水箇所を絞り込むことが可能です。
漏水探知機による路面音聴調査
地中の配管から漏れている音が地上まで響いてくるのを、高性能なマイクセンサー(漏水探知機)を使ってキャッチする方法です。敷地が広い戸建てや、コンクリート下の漏水調査で有効です。
トレーサーガス調査(ガス探索)
配管の中に人体に無害な特殊ガスを注入し、漏水箇所から漏れ出てくるガスを探知機で検知する方法です。微量な漏水や、音が聞こえにくい深い場所での漏水も特定できる、精度の高い調査方法です。
【戸建て】漏水調査と修理費用の相場
業者に依頼する際、最も気になるのが費用面です。費用は「調査費用」と「修理費用」に分かれます。
漏水調査のみの費用目安
調査の難易度や使用する機材によって変動しますが、一般的な目安は以下の通りです。
| 調査内容 | 費用相場(税込) | 備考 |
|---|---|---|
| 基本調査・音聴調査 | 8,000円 ~ 15,000円 | 目視と音聴棒による基本的な特定 |
| 漏水探知機調査 | 15,000円 ~ 30,000円 | 機械を使用して地中などを探索 |
| トレーサーガス調査 | 30,000円 ~ 100,000円 | 発見困難な場合に使用される精密調査 |
※上記はあくまで目安です。出張費が別途かかる場合や、調査で漏水箇所が特定できた場合にのみ費用が発生する成功報酬型の業者もあります。事前に見積もりや電話確認を行うことを強く推奨します。
修理費用の目安
箇所が特定できた後の修理費用も、状況により大きく異なります。
- パッキン交換や軽微な補修:5,000円 ~ 10,000円程度
- 一部配管の引き直し(露出):20,000円 ~ 50,000円程度
- 地中配管の掘削・交換工事:50,000円 ~ 200,000円以上
知っておきたい!漏水調査・修理の負担を減らすポイント
突発的な出費は家計にとって痛手ですが、制度を利用することで負担を軽減できる場合があります。
1. 水道料金の減免制度(減額申請)
漏水が原因で高額になった水道料金は、自治体の「減免制度」を利用することで、一部が返金(または減額)される可能性があります。ただし、以下の条件が一般的です。
- 故意や過失ではない漏水であること(蛇口の閉め忘れ等は不可)。
- 地中や壁の中など、発見が困難な場所での漏水であること。
- 自治体が指定する「指定給水装置工事事業者」による修理完了証明書が必要。
2. 火災保険の活用
ご加入の火災保険に「水濡れ補償」や「水道管修理費用保険金」が付帯されているか確認してください。
- 水濡れ補償:漏水によって床や壁、家財が濡れてダメになった場合の損害を補償。
- 水道管修理費用特約:水道管自体の調査費用や修理費用を補償(契約内容によります)。
「老朽化」が原因の場合は補償対象外となるケースが多いですが、調査費用の一部が補償される場合もありますので、保険会社へ問い合わせてみる価値は十分にあります。
優良な漏水調査業者の選び方
安心して修理を任せるために、業者選びは以下の3点を基準にすることをお勧めします。
- 水道局指定工事店であること
減免申請には指定工事店による証明が必要です。 - 調査費用の内訳が明確であること
「基本料金」だけでなく、機材使用料や出張費を含めた総額を確認しましょう。 - 現地見積もりが無料、または低額であること
いきなり工事を始めるのではなく、調査と見積もりの段階を踏んでくれる業者が安心です。
まとめ:早めの漏水調査が戸建てを守ります
戸建て住宅での漏水は、目に見えない場所で進行していることが多く、発見が遅れると建物の寿命にも影響します。本記事のポイントを振り返ります。
- まずは水道メーターのパイロットでセルフチェックを行う。
- トイレ、キッチン、屋外の湿り気を確認する。
- 原因が不明な場合は、無理をせずプロの調査(音聴・ガス探索など)を依頼する。
- 水道局指定工事店に依頼し、減免申請や保険の相談を行う。
「もしかして?」と思ったら、まずは水道メーターの確認から始めてみてください。早期発見・早期対処が、修理費用を最小限に抑え、大切なお住まいを長く守ることにつながります。










