更新日
  • 投稿日: 2025/11/04
  • 更新日: 2025/11/19

過熱防止装置作動の原因と対処法!給湯器トラブルの完全解決ガイド

    給湯器を使用中に突然お湯が出なくなり、エラー表示で「過熱防止装置作動」と表示された経験はありませんか?この症状は給湯器の安全機能が働いた状態で、放置すると機器の故障や安全上の問題につながる可能性があります。本記事では、過熱防止装置が作動する原因から具体的な対処法、予防策まで詳しく解説します。

    過熱防止装置とは?その役割と仕組み

    過熱防止装置の基本的な役割

    過熱防止装置は、給湯器内部の温度が異常に上昇した際に、機器を保護するための重要な安全装置です。給湯器内部の熱交換器やバーナー周辺に設置されたセンサーが、設定温度を超えた高温を検知すると自動的に作動します。この装置により、機器の破損や火災などの重大事故を未然に防ぐことができます。

    作動する温度と条件

    過熱防止装置は通常、90℃~110℃程度の高温になると作動します。正常な給湯器では、設定温度(通常40℃~60℃)でお湯を供給するため、この温度まで上昇することは本来ありません。異常な温度上昇は必ず何らかの不具合や故障が原因となっているため、作動した場合は速やかな点検と対処が必要です。

    装置の種類と設置箇所

    過熱防止装置には、温度ヒューズ式、バイメタル式、電子制御式などの種類があります。熱交換器の出口、バーナー周辺、排気部分など複数箇所に設置されており、それぞれが異なる温度で作動するよう設計されています。多重の安全システムにより、確実な機器保護を実現しています。

    過熱防止装置が作動する主な原因

    循環不良による熱の蓄積

    最も多い原因の一つが水の循環不良です。給水配管の詰まり、循環ポンプの故障、フィルターの目詰まりなどにより、十分な水流が確保できない状態になります。水流が少ないと熱交換器で発生した熱を効率よく運び出せず、局所的な過熱状態が発生してしまいます。

    熱交換器の汚れやスケール付着

    熱交換器内部の汚れやスケール付着も重要な原因です。長期間の使用により、水垢やカルシウム、マグネシウムなどのミネラル成分が熱交換器表面に付着します。これにより熱伝導効率が低下し、バーナーで発生した熱が適切に水に伝わらず、機器内部の温度が上昇する結果となります。

    燃焼系統の不具合

    バーナーの燃焼状態の異常により、必要以上に高温になることがあります。ガス圧の異常、空燃比の不適正、バーナー部分の汚れなどが原因となり、完全燃焼が行われない状態になります。不完全燃焼は一酸化炭素発生のリスクもあるため、特に注意が必要な状況です。

    排気系統の問題

    排気口の詰まりや排気ファンの故障により、燃焼ガスが適切に排出されない場合も過熱の原因となります。鳥の巣、落ち葉、雪などによる排気口の閉塞や、経年劣化による排気ファンの性能低下が主な要因です。排気不良は機器内部の温度上昇だけでなく、有害ガスの逆流リスクも伴います。

    緊急時の対処法と安全確認

    即座に行うべき初期対応

    過熱防止装置が作動した場合、まず給湯器の使用を直ちに停止してください。リモコンの運転スイッチを切り、ガスの元栓も閉めます。その後、機器が十分に冷却されるまで最低30分は待機し、安易な再運転は避けましょう。この間に、明らかな異常がないか外観を確認します。

    安全確認のチェックポイント

    安全確認では以下の項目をチェックしてください。排気口からの異常な煙や臭いの有無、給湯器周辺での水漏れの確認、配管の外観異常、リモコンのエラー表示内容の記録です。ガス臭がする場合や異常な音がする場合は、すぐに専門業者に連絡することが重要です。

    リセット操作の手順

    機器が十分冷却された後、リセット操作を試すことができます。多くの給湯器では、リモコンの特定のボタン組み合わせやリセットボタンでエラーを解除できます。ただし、リセット後に再び同じエラーが発生する場合は、根本的な問題が解決されていないため、専門業者による点検が必要です。

    自分でできる点検と対処方法

    給水フィルターの清掃

    給水フィルターの目詰まりは循環不良の主要因です。給湯器本体の給水口付近にあるフィルターを取り外し、歯ブラシなどで丁寧に清掃します。月1回程度の定期清掃により、多くのトラブルを予防できます。フィルターが破損している場合は、新しいものに交換しましょう。

    排気口の確認と清掃

    排気口の詰まり確認は、安全な範囲で行える重要なメンテナンスです。外部から見える範囲で、鳥の巣や葉っぱ、雪などの詰まりがないか確認します。軽度な詰まりであれば、長い棒や掃除機を使って除去することが可能です。ただし、内部に深く入り込んだ異物は業者に依頼しましょう。

    水抜きとエア抜き作業

    配管内のエア噛みが原因の場合、適切な水抜きとエア抜きが効果的です。給湯器の水抜き栓を開けて内部の水を排出し、その後、各蛇口を開けてエアを抜きながら給水します。この作業により、循環不良が改善される場合があります。

    専門業者による修理が必要なケース

    熱交換器の本格清掃・交換

    熱交換器の内部清掃は専門的な技術と工具が必要な作業です。分解清掃により、付着したスケールや汚れを完全に除去します。清掃で改善しない場合や、腐食が進行している場合は熱交換器本体の交換が必要になります。この作業は有資格者でなければ実施できません。

    燃焼系統の調整・修理

    バーナーの燃焼調整や部品交換も専門業者の領域です。ガス圧の調整、空燃比の最適化、バーナー部品の交換など、高度な技術と専用機器が必要な作業となります。不適切な調整は重大な事故につながるリスクがあるため、必ず資格を持った技術者に依頼しましょう。

    制御系統の修理・交換

    過熱防止装置自体の故障や制御基板の不良の場合、電子部品の交換や回路の修理が必要になります。温度センサーの交換、制御基板の修理、配線の点検など、電気系統の専門知識が不可欠な作業となります。

    予防策と定期メンテナンス

    定期的な清掃とフィルター交換

    過熱防止装置の作動を防ぐには定期的なメンテナンスが最も効果的です。月1回の給水フィルター清掃、半年に1回の排気口点検、年1回の専門業者による定期点検を実施しましょう。予防メンテナンスは修理費用の大幅な節約にもつながります。

    適切な使用方法の実践

    正しい使用方法により、機器への負担を軽減できます。極端な高温設定を避ける、長時間の連続使用を控える、季節の変わり目には試運転を行うなど、日常の配慮が機器の寿命延長につながります。

    早期発見のポイント

    異常の早期発見により、過熱防止装置の作動を未然に防げます。お湯の温度が不安定、異音の発生、水圧の低下などの前兆を見逃さず、小さな変化でも専門業者に相談することが重要です。

    まとめ

    過熱防止装置の作動は、給湯器の重要な安全機能が働いている状態であり、放置せずに適切な対処が必要です。簡単な清掃やリセット操作で解決する場合もありますが、根本的な原因の究明と修理は専門業者に依頼することが安全で確実です。

    日常的な予防メンテナンスと正しい使用方法により、トラブルの発生を大幅に減らすことができます。安全で快適な給湯環境を維持するため、定期的な点検と適切な対応を心がけましょう。

    監修者

    監修者 濱本孝一

    濱本 孝一 Koichi Hamamoto
    代表取締役

    資格

    • 管工事施工管理技士 第136353号
    • 給水装置主任技術者
    • 排水設備工事責任技術者
    • ガス消費機器設置工事監督者
    • ガス機器設置スペシャリスト
    • 2級ガソリン自動車整備士
    • 2級ディーゼル自動車整備士
    • 美容師
    • 管理美容師

    趣味

    • ピアノ

    ※代表ご挨拶ページはこちらから確認できます。

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