トイレの下水臭い原因と解決方法

トイレが下水臭い!?その原因と対処法は?

トイレから、下水の臭いがする…!? そんな経験はありませんか?普段からトイレを綺麗に掃除していても、ある日突然に汚水の臭いが漂ってきたり、また、新築の住居でまだトイレを使ってもいないのにドブ臭い、ということがあります。そんなときは、原因に心当たりもなく、対処にも困ってしまいますよね。

実はトイレから下水の臭いがする場合には、いくつかの理由が考えられます。その理由次第では、臭いを簡単に解消できるケースもありますので、原因を見極めて、適切な処置をしていきましょう。

 

トイレが下水臭い?その原因は?

トイレから下水のような悪臭がする場合、チェックしたいポイントがあります。まずは便器内の排水口の水たまりの量を確認してみましょう。排水口の水の量がいつもより少ないとか、なんだか減っている気がする、ということはありませんか? その場合は、排水トラップが機能していないせいだと思われます。

 

トイレの排水トラップ、「封水」とは

トイレの仕組み

引用:TOTO「トイレのトラブル解決」

https://jp.toto.com/support/repair/solution_t/index.htm

 

トイレやお風呂などの水回り設備には、通常、「排水トラップ」という仕組みがあります。排水トラップとは、排水管の途中に水を溜めて、下水管から漂う悪臭やガス、害虫などを遮断して、屋内に漏れるのを防ぐ構造のことです。

例えばトイレの場合では、トイレの便器の排水口から奥に曲がりくねった部分が排水トラップになっています。ここに、一定の水位で保たれている水たまり、これを「封水」と言いますが、この封水が、排水管から悪臭や害虫が侵入するのを防いでいます。この便器内の水たまりが少なくなると、排水管からの臭いを防ぐことができなくなり、「トイレが下水臭い!」ということになってしまいます。

 

ちなみに、この封水の水量がひどく少なくなった状態のことを「封水切れ」と言います。この封水切れのせいで悪臭が漂っている場合には、封水の水位が元に戻りさえすれば、状況は改善されます。応急処置としては、水を注ぐなどして、封水の水位を上げることが考えられます。

ただし、封水切れの背景には、トイレの詰まりだったり、トイレタンクの不具合だったり、なんらかのトラブルが絡んでいることがあります。そうした根本的な不具合を見逃すと状況が悪化することもありますので、封水切れを応急処置だけで済まさずに、原因をキチンと確認して対処するのがよいでしょう。

 

汚れやカビ、排水管・通気管の不具合かも

もし、この便器内の封水に問題がないようでしたら、悪臭の原因は、便器やタンクなどの蓄積汚れやカビのせいかもしれません。あるいは、排水管や通気管といった配管になんらかの不具合が生じていて、そこから臭いが漏れているとも考えられます。それぞれの場合の対処法についても解説していきますので、具体的にチェックしていきましょう。

 

封水切れでトイレが下水臭いときの対処法

まずは、便器内の封水が減っている「封水切れ」の原因と対処法から紹介していきます。

 

封水の蒸発

長期間、トイレを使用していなかった、ということはないでしょうか? 長期の旅行や出張から帰宅したとたん、トイレが下水臭かったり、小さな虫が飛んでいたりすることがあります。もしくは、新しく住もうとしている家のトイレが、まだ使ってもいないのに下水臭いと感じることがあります。それらの悪臭の原因としては、長期間、便器内に水を流さなかったことによって、封水が蒸発してしまったことが考えられます。

 

封水は日々少しずつ蒸発していますが、毎日水を流して使用している場合には問題がありません。また、二日三日使わなくても大した支障はありませんが、1~2週間以上など、長期間にわたって水を流さない場合には、蒸発による封水切れで悪臭を放つことがあるようです。特に暑い時期の長期間の旅行や、新居で入居までに時間がかかる場合などには、注意が必要です。

ただし、封水が蒸発した場合の対処法は、とても簡単です。洗浄用のレバーハンドルを回すなどして、ひとたび便器内に水を流せばOKです。封水の水位が戻れば、異臭はおさまります。封水の蒸発の場合は、便器に異常があるわけではありませんので、その後も問題なく使用することができます。

 

また、もし、長期間不在にするときに、封水切れを防ぎたい場合には、トイレの蓋を閉めておいたり、便器にラップをしておいたりすることで、蒸発はある程度防げます。

封水の水をあらかじめ少し多めに補給しておくことも有効です。その場合は、便器内にゆっくりと水を流して補給するようにしてください。勢いよく水を便器にそそいでしまうと逆に水位が下がってしまうことがあります。また、より長期の対策としては、排水管用の特殊蒸発防止剤といった薬剤を使って、蒸発を防ぐ方法もあります。封水蒸発防止剤は、ホームセンターなどでの購入が可能です。

 

トイレの詰まり、毛細管現象

 長期間使用しなかったわけでもないのに、便器内の封水の水位が低いといった場合には、便器の詰まりを確認しましょう。何か詰まっていないか、便器内の排水口のあたりを目視で確認するほか、トイレブラシなどを使って奥を探ってみるなり、よく調べてみましょう。トイレに流せないような異物が詰まっている場合には、トイレブラシやゴム手袋などを使用して、取り除いてください。スマートフォンやメガネ、子供のオモチャなどはもちろん、おむつや生理用品なども、排水路の詰まりの原因となりますので、水に流すことはできません。

もし、そうした流れない固形物でなく、トイレットペーパーやトイレのお掃除シート、髪の毛といったものが詰まっていると思われる場合は、次のような「毛細管現象」が推測されます。

排水のつまり

引用:TOTO「TOTOのアフターサポート」

https://jp.toto.com/aftersupport/solution_t/before/pdf/n_02_05.pdf

 

毛細管現象というのは、水などの液体が、細い隙間や溝に入り込む現象です。例えば、トイレの排水管に、流れ損ねたトイレットペーパーやお掃除シート、髪の毛などが詰まっている場合、それらの繊維や細い隙間などに、便器の水が吸い上げられて、封水の水位が下がってしまうことがあります。節約などで洗浄水量の少ない節水トイレなどを使用している場合には、トイレットペーパーが詰まりやすく、この毛細管現象が起きてしまうことが多いようです。

もし、トイレットペーパーなど水に流れるものが詰まっている場合は、「大」の洗浄で流すなど、勢いよく水を流して、詰まっているものを取り除きましょう。詰まりさえ解消されれば、毛細管現象による封水切れは解消できます。

 

〈ラバーカップで詰まりを解消〉

水を流すだけでは、うまく詰まりが解消されない、という場合には、ラバーカップを使うなどして、詰まりを取り除きましょう。ラバーカップはホームセンターなどで手に入りますが、便器の形によってカップの種類が異なりますので、注意が必要です。

例えば、洋式トイレの場合は、小さな排水口に合う、先が小さな筒状になったラバーカップが有効です。また節水トイレの場合は、複雑な便器の型に合わせた節水用のラバーカップもありますので、ご家庭のトイレに合ったものを選ぶとよいでしょう。

ラバーカップ

ラバーカップを使う際には、汚水が跳ねるのを防ぐために、あらかじめ止水栓を止めて、給水を抑えておきましょう。止水栓は、通常は、壁や床からトイレタンクにつながる給水管の配管上にあります。

また、詰まりを確認する際に水を流してしまって便器内の水位が高くなっている場合は、灯油ポンプなどで水を取り除いておくようにしよう。床にも、汚れが飛んだ場合に備えて、ビニールや新聞紙を敷くなどして、養生しておくとよいでしょう。

さらに、ラバーカップにも汚水の飛び跳ねを防ぐための工夫をしておきましょう。例えば大きなビニールシートに穴をあけ、ラバーカップの柄をその穴から貫通させ、カップの部分にビニールシートをかぶせるようにします。そのビニールシートを、さらに図のように便器にかぶせるようにして、カップを排水口にあてて作業すると、汚水が周りに飛び跳ねるのを回避できます。ラバーカップは、排水口にしっかりと密着させ、引っ張ります。詰まりが取れるまで、カップの密着と引っ張る作業を繰り返します。

トイレの構造

引用:TOTO「トイレのつまりの対処方法」

https://jp.toto.com/support/repair/solution_t/02_1.htm

 

〈重曹・クエン酸を使って詰まりを解消〉

重曹やクエン酸(お酢)を使って、詰まりを解消することもできます。重曹とクエン酸とをミックスして生まれる炭酸ガスを利用して、詰まりを解消するのですが、この場合、効果があるのは、トイレットペーパーなどの紙類や、便や尿石といった汚れに限られます。それ以外の、例えば、トイレに流してしまったペットのトイレ砂などは、重曹とクエン酸で、詰まりを解消することはできませんので注意してください。おむつや生理用品なども給水して膨らむので、流すことはできません。そうした場合には、ラバーカップやゴム手袋などを使って取り出すのがおすすめです。

 

重曹とクエン酸で対処するときに、用意するものの目安は以下の通りです。

・重曹 50ml(カップ4分の1)

・クエン酸(お酢) 100ml(カップ2分の1)

・40~50度のお湯 便器のカサの半分くらいの量

注意点としては、決して熱湯は使用しないでください。便器が故障する原因となります。クエン酸はご家庭のお酢での代用も可能です。

 

作業を開始する前に、まずはトイレの止水栓を止めましょう。次に、換気扇を回したり、窓を開けたりして、換気をよくするようにしましょう。重曹とクエン酸で発生するのは二酸化炭素で特に害はありませんが、吸い過ぎると気分が悪くなる場合もありますので、空気の循環をよくしておきましょう。また、便座が、ウォシュレットなど温水洗浄便座の場合には、電源プラグを外しておくようにしてください。

 

便器に入れていくのは、重曹、クエン酸、ぬるま湯、の順です。まず、重曹を便器の排水口(水たまりの部分)に入れていきましょう。その次に、クエン酸を静かに入れましょう。クエン酸を入れた時点で泡立ってきます。続けて、40度ほどのぬるま湯をゆっくりと入れていきましょう。そしてそのまま1時間ほどおいてください。1時間放置した後に、詰まりが解消されたか確認をします。水を少しずつ流すなどして、ちゃんと水がスムーズに流れるかどうか確認してください。キチンと水が流れれば詰まりは解消されています。

これで詰まりが解消されない場合には、重曹やクエン酸で対処できない異物が詰まっている可能性があります。その場合は、ラバーカップなどで取り除くか、どうしても解消できない場合は、専門業者に相談することをおすすめします。

 

トイレタンクの不具合

封水切れの原因が、トイレの詰まりではない場合などには、そもそも便器内に水がうまく給水されていないことも考えられます。その場合はトイレタンク内を確認してください。

トイレタンク内部

引用:TOTO「トイレの仕組み」(https://jp.toto.com/support/repair/solution_t/shikumi.htm

 

まずは、オーバーフロー管に接続している補助水管を確認してください。補助水管は、便器内の封水の水位を適切に保つために、便器に水を流す部品です。これがオーバーフロー管から外れていると、便器に水を送ることができません。補助水管がオーバーフロー管から外れているようであれば、つなぐようにしてください。

 

補助水管に問題がない場合、そもそもトイレタンク内に、適切に水が給水されているか確認してください。トイレタンク内にはウォーターラインという水位の目安を表す印が、オーバーフロー管などに刻まれています。そのラインから2~3cm下あたりが標準水量です。タンク内に、標準水量の水が十分に溜まっていない場合には、その原因を確認してください。

 

止水栓は適切に開かれているでしょうか? 止水栓に問題がない場合は、浮き玉やボールタップなど、タンクに給水に必要な部品に不具合がないか確認してください。浮き玉が何か障害物にひっかかっていないでしょうか?障害物がある場合は障害を取り除いてください。もし部品自体が壊れている時には、部品の取替が必要になります。

浮き玉などに異常がなく、給水に問題がないケースの時は、タンク底のフロートバルブを確認してください。正しい位置からずれていて水漏れしていることがあります。その場合はフロートバルブを元の位置に戻せばタンク内に水は溜まります。フロートバルブ自体が破損していたり、フロートバルブとレバーハンドルとつなぐ鎖が切れていたりする場合には、部品交換をしましょう。タンク内の部品は自分で購入し、交換することができます。

 

自己サイホン作用

便器の詰まりでもなく、トイレタンクの問題でもない場合には、自己サイホン作用の可能性も考えられます。自己サイホン作用とは、便器内の水が一気に排水管に流出してしまった場合などに起きます。この急激な排水により、排水管内で気圧変化が起き、封水の水が排水管の中へと引っ張られて水位が下がるという現象が起きています。

この自己サイホン作用は、めったに起こりませんが、もし起きた場合は、応急処置として、便器内に水を補給するのがよいでしょう。一時的に封水が保たれて、臭いを抑えることができます。便器に水を流すたびに、同じように封水の水位が低くなる症状が何度も起きる場合には、排水管の不具合や設計ミスなどが考えられますので、個人での対応は難しくなります。専門業者に相談するのがよいでしょう。

 

誘導サイホン作用

自己サイホン作用と似た現象で、誘導サイホン作用という原因も考えられます。これは自己サイホン作用と同じく、排水管内の気圧の問題で起きます。例えば、マンションなどで排水管が他の住居の排水管とつながっている場合、上の階で大量に排水を行うと、排水管内の気圧の変化で、トイレの封水が排水管内に引き寄せられることがあります。

この誘導サイホン作用が原因で封水切れを起こす場合は、気圧の変化に対処する処置が必要になります。具体的には、通気管を設置する、排水管を太くするなどの対応が考えられます。個人では対処できませんので、専門業者に相談するのがよいでしょう。

 

通気管など配管の不具合

そのほか、気圧の変化による封水切れとして、通気管の問題も考えられます。2階以上の建物の場合、トイレの排水管には、配管内の空気圧を調整する為に通気管が付いています。その通気管に関してなんらかの不具合がある場合にも、トイレの封水が適切に維持されないことがあります。また、通気管そのものから臭いが壁や床の隙間から漏れたりして、室内に異臭を放つことがあります。その場合は、通気管に異常がないか、適切に設置されているかどうかなどを確認する必要がありますので、専門業者に相談するのがよいでしょう。

 

また、機密性の高いマンションなどで、キッチンのレンジフード(換気扇)を使うと、トイレや洗面所から下水臭さが漂うことがあります。これはレンジフードが大量に排気することで、配管内の気圧が下がり、トイレなどの封水が排水管内に引っ張られたと考えられます。この場合は、窓を開けるなりして室内に空気を入れ、排気と給気の空気量のバランスをとりましょう。こうした配管周りの事情は、個人での対処は難しいので、専門業者に相談しましょう。

 

封水切れ以外の原因と対処法

特に便器の封水に問題がない場合については、トイレの汚れや配管からの臭い漏れなどが考えられます。

 

汚れやカビが原因

封水に問題がないのに、汚水の悪臭がする場合は、便器の排水口の汚れや、トイレタンクのカビなどのせいかもしれません。

便器の排水口のお掃除については、先のトイレの詰まりでも紹介した重曹とクエン酸で掃除できます。掃除方法も詰まりの解消のときと同じで、重曹4分の1カップに対し、その倍の量のクエン酸2分の1カップを入れ、40~50度のお湯を注ぎ入れます。炭酸の泡で汚れを落とすことができます。また、トイレの排水管専用の洗剤なども市販されていますので、それらを活用するのもよいでしょう。

 

トイレタンクのカビについては、中性洗剤で落とせます。普段触ることのないトイレタンクですが、常に内部が湿気ているため、実はカビや雑菌の温床になりやすい場所でもあります。カビや汚れは、普段使用しているトイレの中性洗剤と歯ブラシなどで落とすことが可能です。掃除する際には、タンク内の部品を傷つけないように気を付けて作業しましょう。また、トイレタンク内に入れるだけでタンク内を洗浄できるという洗浄剤も、市販されていますので、それらを活用するのもよいでしょう。

 

排水パイプや排水管からの臭い漏れ

また、トイレに手洗い場がある場合、排水パイプと排水管とのつなぎ目から排水の臭いが漏れている場合もあります。その場合は、つなぎ目の防臭キャップを確認してください。防臭キャップは、臭いの漏れを防ぐものですが、これが劣化している可能性があります。この防臭キャップがプラスチック製の場合には、自分での交換も可能です。個人での取り換えが難しい金属製などの防臭キャップの場合は、専門業者に相談することをおすすめします。

また排水管そのものの劣化や破損での臭い漏れが疑われる場合も、専門業者に相談しましょう。

 

まとめ

トイレが下水臭い原因には、便器の中の「封水」の水位が下がっていることや、便器やタンクの蓄積汚れやカビが考えられます。その場合には、次のような対処が考えられます。

 

・封水が蒸発している

長期間使用していない場合など、封水が蒸発して減ってしまっている。便器内に水を流せばOK。

・トイレ詰まりによる封水切れ

  異物が便器の排水口などに詰まっていれば、ゴム手袋やラバーカップなどで取り除く。

トイレットペーパーなどによって毛細管現象が起きている場合は、詰まりを取り除く水で簡単に取り除けない場合は、ラバーカップを使うか、重曹とクエン酸の作用で取り除く。

・トイレタンクの不具合

補助水管を確認。ほか、タンク内の部品に異常がないか確認。異常があれば補正、交換する。

・自己サイホン作用

応急処置として、封水の水を足す。何度も起きるようであれば、排水管の不具合や設計ミスの可能性も。専門業者に相談しましょう。

・誘導サイホン作用

応急処置として、封水の水を足す。排水管の不具合なので、個人での対応は難しく、専門業者に相談しましょう。

・通気管など配管の不具合

通気管や排水管などの不具合で臭いが漏れている場合は、個人での対応は難しいので、専門業者に相談しましょう。

・トイレの汚れやカビ

重曹やクエン酸、市販の洗浄剤などを活用して、掃除しましょう。

・排水パイプや排水管の臭い漏れ

  防臭キャップの交換など自分で対応できることもあります。排水管の破損などは、専門業者に相談しましょう。

 

いずれにしてもトイレが下水臭い原因には、排水管やトイレタンクなどの不具合の可能性がありますので、よく確認して対処しましょう。どうしても自分で対処できない場合には、無理をせず、専門業者に相談をしましょう。プロの技術でしっかり対応してもらうと、安心して使用していく事が出来ます。

 

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