
- 投稿日: 2025/05/26
- 更新日: 2025/05/26
トイレが少しずつ流れる原因とは?5つの対処法や放置NGな場合も解説
トイレが少しずつしか流れない状態に直面すると、「このまま放置しても大丈夫なのか」「どうやって直せばいいのか」と不安になりますよね。安心してください、この記事ではトイレが少しずつ流れる状態の原因と、自分でできる効果的な対処法を水道のプロが徹底解説します。
水道修理業者の統計によると、トイレつまりの初期段階である「少しずつ流れる状態」を放置すると、約70%のケースで完全なつまりに発展するといわれています。早めの対処が重要なのです。
この記事では、重症度の判断基準から自分でできる5つの対処法、そして絶対に自分で対処すべきでないケースまで、トイレつまりの問題を解決するために必要な情報をすべて網羅しています。まずはあなたのトイレがどの程度の重症度なのか、確認してみましょう。
トイレが少しずつ流れる状態とは?重症度の判断基準
目次
トイレが少しずつ流れる状態は、完全につまっているわけではありませんが、通常より水の流れが明らかに悪くなっている状態です。水道修理の専門家によれば、これはトイレつまりの初期症状であり、適切に対処しなければ完全なつまりに発展する可能性が高いとされています。
少しずつ流れる状態の意味と仕組み
トイレが少しずつ流れる状態は、排水管の一部が障害物でふさがれているものの、完全には閉塞していない状態を指します。つまっている箇所に隙間があり、そこからわずかに水が流れているのです。
水道修理のプロによれば、通常のトイレは約10秒程度で水が流れ切りますが、少しずつ流れる状態では30秒以上かかることもあります。この状態は排水管内での詰まりが徐々に進行していることを示す警告サインです。
トイレつまりの重症度チェックリスト(5つのサイン)
以下の5つのサインでトイレつまりの重症度を判断できます。当てはまる項目が多いほど、つまりの状態が深刻化しています。
- 水を流したときに便器内の水位が一時的に上昇する
- 水が流れるまでに30秒以上かかる
- 水を流したときに「ゴボゴボ」「コポコポ」という異音がする
- 便器内の通常の水位が変化している(高くなっている、または低くなっている)
- 封水(便器の底に常に溜まっている水)に便やトイレットペーパーが混じっている
これらのサインのうち、3つ以上当てはまる場合は、つまりが進行している可能性が高いため、早急な対処が必要です。
放置しても大丈夫?悪化するリスク
「少しずつ流れているから大丈夫」と思って放置するのは大変危険です。水道修理業者の事例によると、少しずつ流れる状態を放置した場合、以下のようなリスクがあります。
- 完全なつまりに発展し、トイレが全く使用できなくなる
- 便器から水があふれ、床や壁を汚染する
- 集合住宅では階下への漏水につながり、高額な賠償責任が発生する可能性がある
- 封水(便器の底に溜まっている水)が減少し、下水からの悪臭が室内に広がる
- つまりが悪化して修理費用が高額になる
トイレットペーパーや排泄物など水に溶けるものがつまっている場合は、2〜3時間放置すれば自然に解消される可能性があります(ただし、量や状況によっては解消されない場合もあります)。しかし、水に溶けない固形物がつまっている場合は、放置しても状況は改善せず、むしろ悪化するだけです。
トイレが少しずつ流れる5つの原因
トイレが少しずつしか流れない状況には、様々な原因があります。原因によって適切な対処法が異なるため、まずは何がつまりを引き起こしているのかを特定することが重要です。
水に溶ける原因(トイレットペーパー・排泄物)
最も一般的なトイレつまりの原因は、トイレットペーパーの使いすぎや排泄物の詰まりです。これらは基本的に水に溶ける性質を持っていますが、一度に大量に流すと排水管の途中で詰まってしまいます。
水道修理業者によると、トイレットペーパーが原因のつまりは全体の約60%を占めています。特にダブルタイプのトイレットペーパーや、一度に大量に使用した場合はつまりやすくなります。
水に溶けない原因(固形物・おむつ類)
水に溶けない固形物がトイレに落ちてしまった場合、深刻なつまりを引き起こします。以下のようなものが主な原因となります。
- スマートフォンや小物
- 子どものおもちゃ
- オムツや生理用品
- ウェットティッシュやメイク落としシート
特に注意が必要なのは、オムツや生理用品などの吸水性の高いものです。これらは水を吸収して膨張するため、時間が経つほどつまりが悪化します。水道修理の専門家によると、オムツによるつまりは自力での解消がほぼ不可能で、ほとんどの場合専門業者の対応が必要になります。
排水管の汚れや劣化
長年の使用で排水管に汚れが蓄積したり、排水管自体が劣化したりすることでも、水の流れが悪くなります。特に尿石(尿に含まれるカルシウムが固まったもの)や油分の蓄積は、徐々に排水管を狭くしていきます。
築20年以上の建物では、排水管の老朽化によるつまりが増加するという統計もあります。このような場合は、定期的な清掃や高圧洗浄によるメンテナンスが必要になることがあります。
水量や水圧の問題
タンクの水量不足や水圧の低下も、トイレが少しずつしか流れない原因となります。以下のような場合に発生しやすいです。
- 極端な節水を目的にタンクにペットボトルを入れている
- タンク内の部品が故障している
- 高層階や水圧の弱い地域で、特にタンクレストイレを使用している
トイレメーカーによると、通常のトイレは6〜8リットルの水量で設計されているため、それ以下に水量を減らすとつまりやすくなります。
排水管の構造的問題
トイレの排水管は一般的に「S字トラップ」という構造を持っており、「せき」(排水路から見て上向き坂道の部分)と「くぼみ」(せきを越えた後の下り坂部分)があります。この構造は悪臭を防ぐために重要ですが、つまりやすい原因にもなっています。
特に水量や水圧が不足していると、排泄物やトイレットペーパーが「せき」を越えられずに詰まったり、「くぼみ」に沈殿して蓄積したりします。古いタイプのトイレほどこの問題が発生しやすい傾向があります。
自分でできるトイレつまりの5つの対処法
トイレが少しずつ流れる状態に気づいたら、できるだけ早く対処することが重要です。ここでは、自分でできる5つの効果的な対処法を紹介します。
ラバーカップ(スッポン)を使う方法
ラバーカップ(スッポン)は、最も一般的で効果的なトイレつまり解消グッズです。以下の手順で使用してください。
- 便器内の水量を調整する(カップ全体が水に浸かる程度)
- カップを便器の排水口に水平に密着させる
- ゆっくりとカップを押し込み、へこませる
- 勢いよくカップを引き上げる
- 「ゴボゴボ」と音がするまで3と4を繰り返す
- バケツで水を流し、正常に流れるか確認する
水道修理業者によると、ラバーカップは軽度〜中度のつまりに対して高い成功率が期待できます。特にトイレットペーパーや排泄物が原因のつまりに効果的で、準備から開始して約10〜15分程度で解消できることが多いです。
ただし、水に溶けない固形物(スマホ、おもちゃなど)が原因の場合は使用しないでください。固形物を奥へ押し込んでしまい、さらに状況を悪化させる可能性があります。
お湯を使う方法(成功率と手順)
お湯を使った方法は、特別な道具がなくても試せる対処法です。
- 便器の水をできるだけ汲み出す
- 45〜50度のぬるま湯を用意する(熱湯は便器を破損する恐れがあるので使用しないでください)
- ぬるま湯を高い位置からゆっくり注ぐ
- 約1時間放置する
- バケツで水を注ぎ、正常に流れるか確認する
この方法は主に水に溶けるもの(トイレットペーパーや排泄物)が原因のつまりに効果的です。成功率は中程度で、つまりの状態によっては複数回試す必要があることもあります。所要時間は放置時間を含めて約1〜1.5時間程度です。
ビニール袋を使う方法
ラバーカップを持っていない場合は、ビニール袋を代用できます。
- 便器内の水量を減らす
- 複数枚重ねたビニール袋に手を入れ、手首部分で輪ゴムで止める
- 拳にした手を排水口に入れ、拳のまま手を出し入れする
- 「ゴボゴボ」と音がするまで、出し入れを繰り返す
- バケツで水を注ぎ、正常に流れるか確認する
この方法はラバーカップと同じ原理で働きますが、若干効果は劣ります。準備から含めて約20〜30分程度で解消できることが多いです。ラバーカップと同様に、水に溶けないものがつまっている場合は使用を避けてください。
重曹とクエン酸を使う方法
重曹とクエン酸(またはお酢)を使った方法も効果的です。
- 便器の水をできるだけ汲み出す
- 重曹を50ml程度便器に投入する
- クエン酸を100ml程度投入する(重曹:クエン酸=1:2の割合)
- 発泡反応が起きたら、45〜50度のぬるま湯を注ぐ
- 約1時間放置する
- バケツで水を注ぎ、正常に流れるか確認する
重曹とクエン酸の化学反応で発生する炭酸ガスが、つまりを緩める効果があります。この方法は特に軽度のつまりや、排水管の汚れが原因のつまりに効果的です。所要時間は放置時間を含めて約1時間程度です。
ワイヤーブラシ(針金ハンガー)を使う方法
ワイヤーブラシやハンガーの針金を利用する方法もあります。
- ハンガーの針金を伸ばし、先端を丸く曲げる
- 便器の排水口に針金を慎重に挿入する
- 回転させたり押し引きしたりしてつまりを取り除く
- バケツで水を注ぎ、正常に流れるか確認する
この方法は比較的簡易ですが、排水管を傷つける危険性もあるため注意が必要です。つまりの位置が排水口の近くにある場合に効果的で、所要時間は約15〜20分程度です。
各対処法の比較表(難易度・所要時間・成功率)
対処法 | 難易度 | 所要時間 | 成功率 | 適したつまりの種類 |
---|---|---|---|---|
ラバーカップ | 低〜中 | 約10〜15分 | 高い | トイレットペーパー・排泄物 |
お湯を使う方法 | 低 | 約1〜1.5時間 | 中程度 | トイレットペーパー・排泄物 |
ビニール袋 | 低 | 約20〜30分 | 中程度 | トイレットペーパー・排泄物 |
重曹とクエン酸 | 低 | 約1時間 | 中程度 | 軽度のつまり・排水管の汚れ |
ワイヤーブラシ | 中〜高 | 約15〜20分 | 低〜中 | 排水口近くのつまり |
注:成功率はつまりの状態や原因によって大きく変わります。複数の方法を組み合わせることで、解消の可能性が高まることもあります。
絶対に自分で対処してはいけないケース
トイレつまりの中には、自分で対処すると逆に状況を悪化させるケースがあります。以下のような場合は、専門業者に依頼することをおすすめします。
水に溶けない固形物が原因の場合
スマートフォンやおもちゃなどの水に溶けない固形物がつまっている場合は、自分で対処するのは避けましょう。ラバーカップなどを使うと、固形物が排水管の奥に押し込まれてしまい、取り出しがさらに困難になる可能性があります。
水道修理業者によると、固形物によるつまりは専用の道具(カメラ付き回収ワイヤーなど)が必要なケースが多く、素人判断での対処は状況を悪化させるリスクが高いとのことです。
吸水性のおむつやペットシートが原因の場合
おむつや生理用品、ペットシートなどの吸水性の高いものがつまっている場合は、特に注意が必要です。これらは水を吸って膨張するため、お湯を使った対処法や水撃法はさらに状況を悪化させる原因になります。
水道修理業者の統計によると、このようなケースでは最終的に便器の脱着作業が必要になることも多いため、自力での対処は避け、早急に専門業者に依頼することが推奨されています。
排水管の奥の方でつまっている場合
トイレつまりの症状が出ているものの、便器内や排水口近くに異物が見当たらない場合は、排水管の奥でつまっている可能性があります。このような場合、一般家庭で使える道具では対処が難しいことがほとんどです。
専門業者は高圧洗浄機や排水管カメラなどの専用機材を使用して奥のつまりを解消できます。自己判断での対処は避け、専門家の診断を仰ぐことをおすすめします。
集合住宅で階下への漏水リスクがある場合
マンションやアパートなどの集合住宅では、トイレのつまりが階下への漏水事故につながるリスクがあります。特につまりが悪化して水漏れが起きると、階下の住人への被害だけでなく、高額な賠償責任が発生する可能性もあります。
専門家によれば、集合住宅では排水管の構造上、つまりが発生した場合のリスクが戸建て住宅より高いケースが多いとのこと。少しでも不安がある場合は、自分で対処せず、管理会社や専門業者に相談することをおすすめします。
トイレつまりの予防法と日常のメンテナンス
トイレつまりを未然に防ぐための予防法と日常のメンテナンス方法を紹介します。これらの習慣を取り入れることで、トイレつまりの発生リスクを大幅に減らすことができます。
トイレに流してはいけないもの一覧
以下のものは絶対にトイレに流さないでください。
- ティッシュペーパー(トイレットペーパーと異なり、水に溶けにくい)
- おむつ、生理用品
- 綿棒、歯ブラシ、髪の毛
- コンタクトレンズ、医薬品
- 油脂類(天ぷら油など)
- 食品の残りかす
- ウェットティッシュ(「流せる」と表示があっても注意)
水道業者によると、「水に流せる」と表示されているウェットティッシュでも、複数枚使用するとつまりの原因になることがあるため、少量ずつ流すか可能な限りゴミ箱に捨てることが推奨されています。
正しいトイレットペーパーの使い方
トイレットペーパーの使い方も重要です。
- 一度に流す量は適量にする(目安としてシングル5m、ダブル2m程度まで)
- 大便時には「大」、小便時には「小」のレバーを使い分ける
- 可能であればシングルタイプのトイレットペーパーを選ぶ
- 大量のトイレットペーパーを使う場合は、複数回に分けて流す
トイレメーカーによると、節水を意識するあまり水量を減らしすぎると、かえってつまりの原因になるとのこと。適切な水量で流すことが重要です。
定期的な掃除と排水管のメンテナンス
定期的な掃除とメンテナンスもつまり予防に効果的です。
- 便器の定期的な清掃(週1回程度)
- 市販のパイプクリーナーや重曹+クエン酸を使った月1回の排水管洗浄
- 年に1〜2回の高圧洗浄(業者依頼)
- タンク内の定期点検(半年に1回程度)
特に排水管の汚れの蓄積がつまりの原因になることが多いため、定期的な洗浄がおすすめです。酸性洗剤と塩素系漂白剤は絶対に混ぜないでください。有害なガスが発生する危険があります。
トイレの種類別の注意点(節水型・古いタイプ)
トイレの種類によって注意点が異なります。
1. タンクレス(節水型)トイレの場合
- 水圧が低い高層階では注意が必要
- トイレットペーパーの量に特に気をつける
- 一度に流す量を減らす
2. 古いタイプのトイレの場合
- 排水管の汚れが蓄積している可能性が高いため定期的な洗浄を
- 部品の劣化によるトラブルに注意
- 必要に応じた更新も検討する
3. 集合住宅のトイレの場合
- 共用排水管へのつまりの影響に注意
- 階下への漏水リスクを考慮
- 早めの対処を心がける
特に集合住宅では、自分の部屋だけでなく他の住人にも影響が及ぶ可能性があるため、トラブル発生時は早めの対応が重要です。
よくある質問(FAQ)
トイレつまりに熱湯は使っても大丈夫?
熱湯の使用は避けてください。トイレの便器は陶器製で、急な温度変化に弱いです。熱湯を流すと、便器にひび割れが生じる危険性があります。トイレつまりの対処には、45〜50度程度のぬるま湯を使用するのが適切です。
ラバーカップがない場合はどうすればいい?
ラバーカップが手元にない場合は、ビニール袋を代用できます。複数枚重ねたビニール袋に手を入れ、手首部分を輪ゴムで止めて密閉し、拳にした手で排水口を塞いでから出し入れすることで同様の効果が得られます。また、大きめのペットボトルの底を切り取り、飲み口部分を排水口に当てて圧力をかける方法も効果的です。
トイレつまりが解消されたか確認する方法は?
トイレつまりが解消されたかどうかは、以下の方法で確認できます。
- バケツに水を入れ、便器にゆっくり注ぐ
- 水が勢いよく吸い込まれ、通常速度(約10秒以内)で流れれば解消の合図
- 水位が一旦上昇しても、すぐに元の水位に戻るようであれば問題なし
- 異音がなくなったことを確認
水道修理業者によると、レバーでの通常の水流よりもバケツの水で確認する方が、つまりの解消を正確に判断できるとのことです。
業者に依頼するとどのくらいの費用がかかる?
トイレつまりの修理費用は、つまりの状態や原因によって異なります。
- 簡単な対処(ラバーカップ等での対応):5,000〜10,000円程度
- 高圧洗浄による対応:15,000円前後
- 便器の脱着が必要な場合:20,000〜30,000円程度
ただし、これはあくまで目安であり、地域や業者によって料金は異なります。事前に見積もりを取ることをおすすめします。また、夜間や休日は割増料金が発生する場合が多いので注意が必要です。
トイレつまりが頻繁に起こる場合の対策は?
トイレつまりが頻繁に起こる場合は、根本的な原因が潜んでいる可能性があります。
- 排水管の汚れの蓄積:排水管洗浄剤や高圧洗浄で対処
- 排水管の老朽化:専門業者による点検と必要に応じた交換
- トイレの構造的問題:水道業者に相談し、必要に応じてトイレ本体の交換も検討
- 水量不足:タンク内の部品の調整や交換
- 使用方法の問題:トイレットペーパーの適量使用などの見直し
水道修理のプロによれば、頻繁なつまりの多くは配管系統の問題であることが多いとのこと。DIYでの対処を繰り返すよりも、一度専門家に根本原因の調査を依頼する方が、長期的にはコスト削減につながる場合もあります。
まとめ:トイレが少しずつ流れる問題への対処
トイレが少しずつ流れる状態は、つまりの初期段階であり、適切に対処しなければ深刻な問題に発展する可能性があります。本記事のポイントをまとめると、
- 早期発見・早期対処が重要:水位の変化や異音など、つまりの兆候に気づいたら早めに対処しましょう
- 原因に合った対処法を選ぶ:水に溶けるものと溶けないもののつまりでは対処法が異なります
- 無理な対処は避ける:自分で対処できない場合は、早めに専門業者に依頼しましょう
- 予防が最善の対策:正しい使い方と定期的なメンテナンスでつまりを未然に防ぎましょう
特に、水に溶けない固形物や吸水性のあるものによるつまりは、自力での対処が難しく状況を悪化させるリスクが高いため、専門業者への依頼を検討してください。
トイレは毎日使うものだからこそ、快適に使えるよう適切なケアが必要です。この記事で紹介した対処法と予防法を実践して、トイレつまりのストレスから解放されましょう。