
- 投稿日: 2025/09/24
- 更新日: 2025/09/29
給湯器の中和器を自分で交換する方法!手順と注意点を徹底解説
給湯器の中和器とは?交換が必要になる理由
目次
給湯器の中和器は、燃焼時に発生する酸性の凝縮水を中性化する重要な部品です。特にエコジョーズなどの潜熱回収型給湯器には必ず搭載されており、環境保護と配管保護の両面で重要な役割を果たしています。
中和器が正常に機能しないと、酸性の凝縮水がそのまま排出され、配管の腐食や環境への悪影響を引き起こす可能性があります。また、給湯器本体のエラー表示が出て、お湯が使えなくなることもあります。
一般的に中和器の寿命は3〜5年程度とされており、使用頻度や水質によって交換時期が前後します。定期的な点検と適切なタイミングでの交換により、給湯器全体の性能を維持することができます。
中和器の交換は専門業者に依頼するのが一般的ですが、基本的な工具と正しい知識があれば、自分で交換することも可能です。ただし、ガス機器の作業には十分な注意が必要であることを理解しておきましょう。
交換前の準備と必要な工具・部品
交換が必要かどうかの診断方法
中和器の交換が必要かどうかは、いくつかの症状から判断することができます。最も分かりやすいサインは、給湯器のエラーコード表示です。
リンナイの場合は「290」「291」「390」、ノーリツの場合は「990」「991」などのエラーコードが表示されることが多く、これらは中和器関連の不具合を示しています。また、給湯器周辺に白い粉状の物質が付着している場合も、中和器の機能低下を示すサインです。
その他、お湯の出が悪くなったり、給湯器の運転音が以前と異なったりする場合も、中和器の交換を検討する必要があります。
必要な工具と交換部品
中和器の交換には、基本的な工具と適合する交換部品が必要です。
必要な工具:
・プラスドライバー(複数サイズ)
・マイナスドライバー
・ペンチまたはプライヤー
・懐中電灯またはヘッドライト
・軍手またはゴム手袋
交換部品については、給湯器の型番に対応した純正品を使用することが重要です。メーカーのサービス窓口やインターネット通販で購入できますが、型番を間違えると取り付けできないため、事前に給湯器の品番を正確に確認しましょう。

安全確保と作業前の注意事項
作業前の安全確認
給湯器の中和器交換を行う前に、安全確保のための準備を確実に行うことが最も重要です。
まず、給湯器の電源を完全に切り、ガスの元栓も閉めます。さらに給湯器が冷めるまで十分な時間(最低1時間以上)を置いてから作業を開始します。熱い状態での作業は火傷の原因となるだけでなく、部品の損傷も招く可能性があります。
作業場所の換気も重要で、屋外設置型の場合でも、風通しの良い状態を確保してから作業に取りかかりましょう。
作業時の注意点
中和器の交換作業中は、給湯器内部の他の部品に不用意に触れないよう注意が必要です。特に電気系統の配線や他の配管には触れないようにしましょう。
また、取り外した部品は順序よく配置し、ネジなどの小さな部品を紛失しないよう注意深く作業を進めます。写真撮影などで配線の状態を記録しておくと、組み立て時に役立ちます。
中和器交換の具体的手順
給湯器カバーの取り外し
安全確認が完了したら、給湯器の前面カバーを慎重に取り外します。多くの給湯器では、下部に複数のネジで固定されているため、適切なサイズのドライバーで取り外します。
カバーを外す際は、配線を引っかけないよう注意しながら、ゆっくりと手前に引き出します。カバーが重い場合は、無理をせず安全な場所に置いて作業を続けます。
既存中和器の取り外し
中和器は通常、給湯器の下部に設置されています。配管接続部と固定用のネジを確認し、順序立てて取り外していきます。
まず、中和器に接続されているドレン配管を取り外します。この際、残留している凝縮水がこぼれる可能性があるため、タオルなどで受け止める準備をしておきます。
次に、中和器本体を固定しているネジを取り外し、慎重に中和器を引き出します。古い中和器は重量があるため、落下させないよう両手でしっかりと支えながら作業します。

新しい中和器の取り付け
新しい中和器を取り付ける前に、接続部分の清掃と部品の確認を行います。古い中和器から取り外したパッキンなどは、新しいものと交換することが推奨されます。
新しい中和器を正しい位置に設置し、水平を確認してから固定ネジで確実に固定します。この際、ネジの締めすぎに注意し、適度な力で締め付けます。
ドレン配管の接続は、パッキンの位置を確認してから行い、水漏れが発生しないよう確実に接続します。接続後は軽く配管を引っ張り、抜けないことを確認しましょう。
交換後の確認作業と試運転
配線と配管の最終確認
中和器の取り付けが完了したら、すべての接続部分を再度確認します。配管の接続に緩みがないか、電気系統に異常がないかを慎重にチェックします。
また、作業中に動かしてしまった可能性のある他の部品についても、正常な位置に戻っているか確認することが重要です。
試運転と動作確認
すべての確認が完了したら、給湯器のカバーを元通りに取り付け、段階的に給湯器を起動させます。
まずガスの元栓を開き、次に給湯器の電源を入れます。エラー表示が出ないことを確認し、実際にお湯を出して正常に動作するかテストします。
初回起動時は、給湯器が正常なサイクルで動作し、異音や異臭がないことを確認します。また、中和器周辺に水漏れがないかも合わせてチェックしましょう。

交換後のメンテナンスと次回交換の目安
日常的な点検ポイント
中和器を交換した後は、定期的な点検により長期間の安定した動作を確保できます。月1回程度、給湯器のエラー表示をチェックし、異常がないことを確認しましょう。
また、給湯器周辺に白い粉状の付着物がないか定期的に目視確認することで、中和器の状態を把握できます。
次回交換時期の判断基準
新しく交換した中和器の交換時期は、使用状況や水質によって大きく左右されます。一般的には3〜5年が交換の目安とされていますが、使用頻度が高い場合はより短いサイクルでの交換が必要になることがあります。
エラーコードの出現頻度や、お湯の出具合の変化を記録しておくことで、最適な交換タイミングを見極めることができます。
自分での交換に不安を感じる場合や、作業中に予期しない問題が発生した場合は、無理をせず専門業者に相談することをお勧めします。安全性を最優先に、適切なメンテナンスを継続しましょう。